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連携事例1 蒲郡から金星へ

概要

「深宇宙探査機UNITEC-1 フライトモデル(構造系)」

JAXA(宇宙航空研究開発機構)がH-ⅡAロケットにより打ち上げる金星探査機「あかつき」(PLANET-C)に相乗りする小型副衛生「深宇宙探査機UNITEC-1」の一部を蒲郡の愛知工科大学と地元企業の蒲郡製作所が設計及び製作しました。

この小型副衛生「UNITEC-1」は大学宇宙コンソーシアムUNISECに所属する約20の大学・国立高等専門学校が開発するもので、地球重力圏や月を超えて深宇宙空間である金星に向かう起動を民間団体が目指すことは「世界初」の試みです。

愛知工科大学の奥山准教授の研究室は、他校と共同で熱構造システムの開発を担当し、UNITEC-1」プロジェクトの成功を左右する大切な部分を蒲郡製作所が製作しました。環境試験や機能性能試験を経て2010年5月21日に種子島からH-ⅡAロケットで宇宙に旅立ちました。

愛知工科大学の担当箇所

構造系は、主に北海道大学、九州大学との連携で開発が進められてきました。家の構造は、強い地震に耐荷しなければならず、また夏の暑さや冬の寒さにも耐えなければなりません。

UNITEC-1の構造も同様で、ロケット打上げ時の振動、また宇宙における過酷な温度差[宇宙の背景放射温度はマイナス270℃(宇宙の黒体放射温度がマイナス270℃)、金星金傍における黒体物体の表面温度は最大200℃(地球近傍の太陽放射は約1300W/㎡、金星近傍の太陽放射は700W/㎡)]から、内臓したコンピュータなどを守らなければなりません。

熱計算は北海道大学が、構造計算は九州大学が担当し、愛知工科大学はその結果を踏まえて3次元CAD(キャド、Computer Aided Design)を用いて図面化し、設計。構造系の内側パネル、上面、下面パネル、また側面パネルに加え、ガイドポールの開発・製作を行いました。

北海道大学 :UNITEC-1の熱解析、振動衝撃試験の実施
九州大学  :UNITEC-1の構造設計、振動衝撃試験の実施
愛知工科大学:UNITEC-1の熱構造系の設計と製作

蒲郡製作所の担当箇所

UNITEC-1構造系は、幾つかのパネルガイドポールから構成されます。 パネルは、打上げ時の機械的環境や宇宙における過酷な温度差から内部搭載機器を守ることが要求され、また、ガイドポールは金星への軌道を正確に制御することが要求されています。
これらは、UNITEC-1のミッションを左右する大切な部品であることから、製作には高い技術力が必要になります。

パネルは主に超超ジュラルミンと炭素繊維強化プラスチックCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製です。

今回は、特殊なアルミやジュラルミン加工で豊富な実績を持つ蒲郡製作所、またレース用オートバイや新幹線、航空機用のCFRP製造で豊富な実績を持つ川重岐阜エンジニアリングは、イラストやアニメーションの作成も行いました。

蒲郡製作所:特殊なアルミやジュラルミンの微細加工川重岐阜エンジニアリング:CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製パネルのアニメーション、イラスト作成

愛知工科大学の奥山准教授(左)と蒲郡製作所の伊藤社長(右)

愛知工科大学の奥山准教授(左)と蒲郡製作所の伊藤社長(右)

愛知工科大学の連絡先

愛知工科大学・愛知工科大学自動車短期大学
地域・産学連携センター
地域・産学連携センター長 徳田正孝/副センター長 橋本孝明/地域・産学連携室 大場昭一
TEL:0533-68-1304 内線2122(大場)
FAX:0533-68-0352
URL:http://www.aut.ac.jp/
奥山研究室
URL: http://www1.aut.ac.jp/~okuyama-lab/index.html

蒲郡製作所の連絡先

TEL:0533-68-1155 / FAX:0533-68-1156
URL http://www.gamasei.co.jp/
メールアドレス gssito@amitaj.or.jp

スケジュール

2009年11月3日詳細設計審査(CDR)を経てフライトモデル開発に着手
2009年12月17日フライトモデル構体の仮組立(@愛知工科大学)
2009年12月18日HⅡAロケットのパネルとのフィットチェック(@愛知工科大学)
2009年12月21日~1月4日表面塗装(@北海道大学)
2010年1月16~21日フライトモデルの本組立(@東京大学)
2010年2月振動試験、衝撃試験などの環境試験
2010年3月機能性能試験
2010年4月射場輸送作業、射場作業(射場は種子島宇宙センター)
2010年5月HⅡAロケットで宇宙へ(@種子島)

UNITEC‐1の最新ニュースはコチラ

http://www.unisec.jp/unitec-1/ja/top.html

UNITEC-1の主な仕様

サイズ 35cm立方
質量 約20kg
平均発電量 25w程度
姿勢制御 なし(タンブリング)
送信電力 9.6w
5.8GHz(Cバンド)アマチュアバンド
地上局 アマチュア無線コミュニティの
φ3m程度のアンテナ等想定
開発費 1000万円以下

UNITEC-1の主なミッション

  • 深宇宙環境でのコンピュータ生き残りコンペ
    大学開発による6機のコンピュータの軌道上実証
    (慶応大、高知工科大、電通大、東京理科大、東北大、北海道工大)
  • 深宇宙からの微弱電波受信の実験
    弱電波・低ビットレートの受信技術の向上
  • 科学ミッション
    宇宙空間の撮影
    宇宙放射線の測定

UNITEC-1の開発に参加している大学・高専(50音順)

愛知工科大学、秋田大学、大阪府立工業高専、大阪府立大学、香川大学、鹿児島大学、九州大学、九州工業大学、慶応大学、高知工科大学、創価大学、国立津山工業高専、電気通信大学、東海大学、東京大学、東京工業大学、東京理科大学、東北大学、都立産業技術高専、北海道大学、北海道工業大学

UNITEC-1の開発に参加している企業(50音順)

AstroX(宇宙開発合同会社)、株式会社植松電装、オーエヌ工業株式会社、株式会社蒲郡製作所、川重岐阜エンジニアリング、SOHLA、田淵電機株式会社、株式会社ニッシン、株式会社日本フューテック、株式会社マイクロラボ

UNITEC-1の開発主体

UNISEC(NPO法人 大学宇宙工学コンソーシアム)

UNISEC(NPO法人 大学宇宙工学コンソーシアム) 2002年設立、2003年NPO法人化(東京都)。現在、約50研究室登録、学生数は約400名。会員(支援する側)は個人約150名、法人10企業。宇宙工学教育・人材開発の一環として、ロケットや衛星の設計・製作・試験・打上げ運用を手作りで実施し、実践的な宇宙工学研究・プロジェクトマネジメントの訓練を行い、宇宙開発に必要な人材を育成する。技術開発の一環としては、大学流の「手作り」の発想で、また、多くの手の試行錯誤でこれまでにない革新的な技術の発掘・芽だしを行う。

 

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